10/11 遺伝子組換え表示制度に関する検討会で表示義務対象範囲について再討議を要請しました

10/11付で消費者庁長官、遺伝子組換え表示制度に関する検討会座長ならびに委員へ、9月27日に開催された第5回検討会における拙速なまとめ方に対して、再討議を要請する意見書を提出しました。
遺伝子組換え表示範囲に関する再討議要請文

2017年9月27日に開催された第5回遺伝子組み換え表示制度に関する検討会において、表示義務対象の範囲の議論にあたり、消費者団体のヒヤリングで出された「消費者が誤解することのないよう、全ての加工食品を表示義務対象品目にすべき」との意見に対し、討議に必要な資料の提示がなく、また、討議が十分にし尽くされないまま、座長自ら発言された「少々強引なまとめ方」となったことは、消費者として納得のいくものではありません。科学的検証のみを根拠とする義務対象範囲に異議を唱えるとともに、表示義務対象範囲について、再討議することを要請いたします。

検討会の意見交換では「現行制度のままでよいとしたならば、検討会を開催した意味が無い。IPハンドリング証明書と海外生産者との契約により穀物輸入はできている。科学的検証以外にどのようにすれば表示ができるのかを考えてはどうか」、「社会的検証と科学的検証、IPハンドリング、トレーサビリティについても、資料を出して検討してはどうか」などの意見が出されました。

また、今年9月1日、社会的検証を根拠に全ての加工食品を対象とする原料原産地表示が義務化されたことを鑑みれば、遺伝子組換え表示についても、社会的検証または科学的検証と厳格な監視指導体制を組み合わせることで実現は可能であると考えます。全ての加工食品の原料原産地表示の義務化を参考にし、どのようにすれば全ての加工食品を対象にした遺伝子組み換え表示ができるかを議論すべきと考えます。

食の安全・安心に対する消費者の関心の高まりを受け、消費者基本計画では「消費者の権利の尊重と消費者の自立の支援」を基本として、遺伝子組み換え食品表示を含め、食品表示に関する充実と信頼の確保が明記されています。このような主旨を確認し実現するためにも、表示義務対象範囲のまとめを撤回し再討議することを消費者として要請いたします。

以上

9/14 遺伝子組み換え食品表示の検討にむけて意見書を提出しました

2017年9月14日、消費者担当大臣、消費者庁長官、消費者委員会委員長と遺伝子組換え表示制度に関する検討会委員10名宛てに、意見書「遺伝子組換え表示はすべての食品を対象に~「遺伝子組換え使用」を原則とした義務表示制度の導入を~」を提出しました。

4月から消費者庁主催で遺伝子組み換え食品(GM)表示制度に関する検討会が開催されています。第1回検討会では世界のGM農産物の栽培状況、GM表示対象農産物の輸入量・用途別仕向量、GM食品表示制度(日本・諸外国)、GM表示対象品目外食品の組み換えDNA等の検出について再検証、分別流通管理等の実態調査等、GM食品表示をめぐる情勢について、消費者庁より報告がありました。第2回~第4回では消費者団体、生協、消費生活コンサルタント、流通業、植物油脂メーカー・協会、コーンフレークメーカー、商社、豆腐メーカー、スナック菓子、スーパーマーケットよりヒヤリングが行われました。9/27開催予定の第5回以降の検討会で論点整理および義務表示の対象範囲の考え方等について議論が始まります。

遺伝子組換え食品表示意見書

遺伝子組換え表示はすべての食品を対象に~「遺伝子組換え使用」を原則とした義務表示制度の導入を~

消費者庁は懸案の遺伝子組換え表示制度の見直しへ向け、今年度末までの予定で、4月から有識者による「遺伝子組換え表示制度に関する検討会」をスタートさせました。すでに4回の検討会が開催され、消費者及び事業者などからのヒアリングを行いました。9月27日開催の第5回検討会以降に論点の整理、遺伝子組換え表示の義務対象品目について議論される予定です。

現行表示制度は、15年間の運用過程で、消費者基本法に基づく消費者施策である「消費者の権利」(安全の確保、選択の機会の確保、必要な情報が提供されるなど)の確立にはほど遠いものであり、消費者にとってはほとんど役に立たない表示制度であるとして、その欠陥性が指摘されています。超輸入大国・日本の現状から考えて、制度の見直しにあたっては、どの国よりも消費者目線に立った表示制度として実現させることが喫緊の課題です。

その際は、当面の見直し課題を重視しつつも、環境影響など遺伝子組換え食品のもう一つの側面である重大な課題も視野に入れ、幅広い視点に立ってアプローチすることも求められます。また、ゲノム編集技術による新規開発も進められており、これら新育種技術による新規食品についても、遺伝子組換え表示制度として対応することが必要です。

そのような観点から私たち「食品表示を考える市民ネットワーク」は、以下のように意見を表明します。

1.すべての食品を義務表示の対象にし、遺伝子組換え原料が使われていることを表示の原則とした制度へと改善すべきです。

・ 現行制度は、義務表示対象作物を使用しながら、加工後に組換えDNAなどが検出できない食品(しょうゆや植物油等)を表示の対象外に置いているが、それを見直し、表示対象に含めること。

・ ゲノム編集技術等の新技術による遺伝子改変作物・食品も、表示対象に含めること。

・ 現行の義務表示である「遺伝子組換え」表示が実質的に存在しない中にあっては、義務表示要件の見直しが必要である。科学的検出の可否を根拠とする現行8作物33加工食品群の表示要件を撤廃し、EU(欧州連合)等で導入されているトレーサビリティ制度の導入を担保に、原則すべての食品を対象にする制度へと改善すること。

・ すべての食品を義務表示の対象として、不透明な「遺伝子組換え不分別」という表示を廃止し、不分別の場合は「含まれている」ことを示す表示にすること。

・ また、任意表示となっている「遺伝子組換えでない」の表示は、すべての食品を義務表示の対象とした上で、廃止すること。

・ 油に関しては、まず、個別の原材料名をきちんと明記することが重要である。

2.意図せざる混入率の引き下げを検討すべきです。

意図せざる混入率5%未満は諸外国に比べ緩い基準です。第1回検討会で報告された「分別生産流通等の実態調査」結果をもふまえ、可能な限り混入率の設定を低くすべきです。

3.6月21日に発表された今年度の「消費者基本計画工程表改訂版」には、「食品添加物表示については、現状を把握した上で、必要な検討を行う」と記載されています。そうであるなら、遺伝子組換え添加物の表示のあり方、その方向性も視野に入れた検討を加えるべきです。

4.遺伝子組換え食品の環境影響については、今回の食品表示の直接の検討課題に含まれていませんが、開発・製造課程での環境影響や、輸入・陸揚げ・輸送時の「こぼれ落ち」などによる自生の問題も指摘されています。遺伝子組換え表示制度は、有機食品普及など「エシカル消費」の推進にも関わることであり、これらの点についても検討の背景に位置づけておくことが必要です。

5.論点の整理及び遺伝子組換え表示の義務対象品目の考え方等を議論する過程において、多くの人々が議論の内容を理解し意見を出せるような工夫と機会を設けることを要望します。

食品表示一元化検討会では消費者及び事業者から広く意見を聞く場として、意見交換会等が行われました。また米国では2016年7月に「全米遺伝子組換え食品表示法」が可決され、今年6月には米国農務省の農業市場流通局(AMS)は表示ルール検討の一環として、30の具体的な質問とその背景を公表し、約2か月間にわたり国内のみならず世界に向けてパブリックコメントを求めました。

我が国においても特に消費者の関心が高い遺伝子組換え食品表示については、米国農務省にならい、議論の過程において消費者が議論の内容を理解し意見を出せるような工夫と機会を設けることを要望します。

以上

参考資料

アメリカ農務省バイオ操作食品開示規則案30の質問

アメリカ農務省30の質問原文

6/16 規制改革推進会議の答申に抗議する意見書を提出しました

2017年6月16日 内閣総理大臣、消費者担当大臣、消費者庁長官、消費者委員会委員長、規制改革推進会議議長宛てに意見書「さらなる規制緩和を進める規制改革推進会議「第一次答申」に対する抗議 ~消費者不在の「機能性表示食品制度」の廃止を求めます~」を提出しました。

規制改革推進会議答申に抗議

安倍首相の諮問機関「規制改革推進会議」は5月23日、「第一次答申」を安倍首相に提出しました。今後政府はそれをもとに「規制改革実施計画」を策定し、閣議決定後の施策実施導入を予定しています。

安倍首相が提唱する規制改革は、その対象が消費生活に身近な分野になるほどに、事業者優先・消費者軽視の色彩が強くなり、まったく消費者不在の施策も目立ちます。今回の「規制改革推進会議」の第一次答申においても、「魅力的なビジネスを世界に先駆けて実現させる」、そのために「岩盤規制改革に徹底的に取り組む」「一気にアクセルを踏み込む」との安倍首相の意向に基づき検討したことを表明しており、「ビジネス優先」を謳い「社会的規制」と「経済的規制」を混同した不十分で、乱暴な提案を提起しています。

その一つに「機能性表示食品制度」のさらなる規制の緩和が盛り込まれています。機能性表示食品制度は「消費者不在」の制度としてスタートし、事業者の責任による表示制度でありながら、その責任が担保されず、資料公開を原則とする届出制度も制度運用の核となる「届出ガイドライン」も、何ら実効性のない欠陥に満ちたものです。私たち「食品表示を考える市民ネットワーク」は、これまで何度となく、導入反対・制度廃止を求めてきました。

実際、トクホ(特定保健用食品)の許可表示以上の機能性をうたうものも目立ち、消費者の混乱は最高潮に達しています。このままでは、誤認表示横行による財産被害だけでなく、大量健康被害も発生する可能性が高まっています。

そのような状況に対して規制改革推進会議の「第一次答申」は、消費者庁が行った『機能性表示食品に係る機能性関与成分の取り扱い等に関する検証事業報告』において明らかになった、導入2年後の機能性表示制度の欠陥や課題について少しも振り返ることなく、ただただ、事業者に活用しやすい制度へと規制を緩和し、事業者の要求に応えることのみを主張した内容となっています。

私たちは、このような視点は消費者の権利を一向に尊重していないものと考え、厳重に抗議するとともに、以下のような問題点から機能性表示食品制度の廃止を求め、トクホを含む保健機能食品制度の総合的・抜本的見直しに早急に着手することを要求します。

【記】

1.規制改革推進会議の「第一次答申」に盛り込まれた「機能性表示食品の改善」の項目は、事業者目線からのみ提案され、事業者の要求のみを取り上げたものであり、この提案に沿った施策が導入されると、いっそう食生活の混乱を招くことから、そのような提案自体に厳重に抗議します。

2.「第一次答申」は、機能性表示食品の届出事業者の負担を軽減することを目的に、「届出ガイドライン」の見直し・緩和を提起していますが、その方向性は現在の同ガイドラインの「欠陥性」をいっそう拡大させるものであり、強く反対します。

3.「第一次答申」は、「業界団体等による点検を経た届出書類について、消費者庁での確認作業が迅速に進む仕組みを構築する」ことを提案していますが、これは現行の消費者庁による届出書類のチェックを民間の「業界団体等」によるチェックへと大幅に変更・緩和する措置であり、「届出制度」に対する信頼性をますます低下させるものであり、強く反対します。むしろ書類提出日を遡って届出日とする現在の取り扱いを止め、消費者庁の確認作業が終了し、事業者の書類がそろった日を「届出日」とするべきです。

4.「第一次答申」は、生鮮食品の機能性表示食品制度の活用促進へ向け施策検討を求めていますが、季節食品であり、成分のバラつきを特徴とする生鮮食品は、本来、機能性表示食品制度には馴染まないものです。生鮮食品の制度活用への提案には強く反対します。

5.「第一次答申」は、18歳・19歳の消費者の対象データの活用を明確化することや、軽症者データの取扱い範囲の拡大をはじめ、アレルギー、尿酸値、認知症等に関するデータについても機能性表示食品の届出資料としての活用を可能とするよう検討を求めています。しかし、機能性表示食品はあくまでも健康な人を対象とした「食品」であり、機能表示については、消費者の混乱防止と健康被害防止の観点から、より慎重であるべきであり、この提案についても強く反対します。

6.機能性表示食品制度については、廃止こそ最善策です。この視点からの施策を実施するなど、現行のトクホなど保健機能食品制度の総合的・抜本的検討に早急に着手することを求めます。

以上

6/16メディア懇談会『加工食品の原料原産地表示と遺伝子組み換え食品表示の問題点と考え方』を発表

2017年6月16日 連続メディア懇談会⑰ご案内『食品表示基準改正案の問題点 加工食品の原料原産地表示と検討が始まった遺伝子組み換え食品表示への考え方』を発表します。

2017年3月27日~4月25日まで、食品表示基準の一部を改正する内閣府令案に対する意見募集が行われました。その後、6月8日に消費者委員会食品表示部会が開催され、一部変更された食品表示基準案が消費者庁より提示されました。

食品表示を考える市民ネットワークでは提示された加工食品の原料原産地表示改正案について、その内容と問題点を整理しどうすべきかを発表します。また、4月に消費者庁で検討が始まった遺伝子組み換え食品表示についての考え方を公表したいと思います。

ぜひ、ご参加いただきたく、よろしくお願い申し上げます。

日時:2017年6月16日(木)15:00~16:00

場所:主婦連合会会議室(主婦会館3階) JR四ツ谷駅前

講師:神山美智子 (食品表示を考える市民ネットワーク)

【お問い合わせ】 食品表示を考える市民ネットワーク事務局

電話 03-6869-7206  FAX 03-6869-7204  Email info@nongmseed.jp

全ての加工食品の原料原産地表示の義務化を求めパブリックコメントを提出しました

2017年4月25日 食品表示基準の一部を改正する内閣府令(案)に関するパブリックコメントを提出しました

今回の改正で、国内で製造した全ての加工食品が義務付けの対象となる事に賛成します。対象外となった外食、インストア加工食品等についても、今後義務付けの対象とすることを求めます。

例外規定として、「可能性表示」、「大括り表示」、「可能性表示+大括り表示」、「製造地表示」が提案されていますが、これらを認める場合は計画書および実績書の保管の義務付け、偽装等違反した場合の厳しい罰則規定を求めます。また、この表示制度の運用を担保するため、トレーサビリティ制度の制定、監視・執行体制の強化、それに係る予算措置等を整えることを求めます。

【意見】

改正点①

●義務表示の対象について 基準第3条第2項

意見:消費者の選択の権利を尊重することを目的とし、国内で製造される全ての加工食品を義務表示の対象としたことに賛成します。但し、対象外となった外食、インストア加工食品等については、次の改正時には義務対象とする方向性で、表示を推奨すべきです。

理由:これまで表示拡大を阻んでいた選定2要件「品質の差異と50%ルール」が実質的に撤廃され、今回の改正においても対象外とされた外食、インストア加工食品等はあるものの表示対象食品は拡大され、消費者の権利が尊重されたものになると考えます。

●対象原材料について 基準第3条第2項

意見:重量割合1位については不十分であり、3位までの表示を推奨すべきです。また、液体だしの「調味料(アミノ酸)」ように、食品添加物であっても重量割合が1位の場合はその原産地を表示すべきです。

理由:韓国では上位3位までを義務表示の対象としており、実現は可能であると考えます。

●特定の原材料名を商品名に使用する冠表示について

意見:商品の冠となる原材料を使用している場合は重量割合に関係なく、その原材料と原産地を表示すべきです。

理由:「エビピラフ」「苺ケーキ」など、それを強調して販売するために原材料名を商品名に付けた場合、商品の選択に大きく影響を与えると考えます。

改正点②、③、④、⑤

●「可能性表示」、「大括り表示」、「可能性表示+大括り表示」について 基準第3条第2項表1

意見:基本的に反対です。但し、認める場合においては、事業者に対して計画書及び実績書の保管を義務付け、偽装等の違反を行った場合は罰則規定を設ける等、厳しい基準を定めるべきと考えます。

理由:消費者にとって、役に立つ表示の方法であるとは考えられません。これらの例外規定により、原則である国内で加工される全ての加工食品の原料の原産地表示の実行に消極的になり、逃げ道となる可能性があります。消費者の権利のためのものではなく、事業者にとって都合のよい骨抜き制度となることが懸念されます。

改正点⑥

●「製造地表示」について 基準第3条第2項表1

意見:中間加工原材料の製造地表示を義務付けることに賛成します。但し、製造地のみではなく生鮮原材料の原産地も併せて表示するべきです。少なくとも、国内製造の場合は原材料原産地を表示するべきです。

理由:食品、食品添加物、食器具などの輸入に際して必要な書類として、食品衛生法による「食品等輸入届書」があり、輸入申告に先立って検疫所へ提出しなければならず、届出書には食品の品名、数量、重量、輸入者名、生産国、製造者名、輸出者名、積込港をコードで記入することになっているため、トレースすることは可能です。

改正点⑦

●誤認防止策について 基準第3条第2項表1

意見:誤認防止策について、賛成します。

改正点⑧

●おにぎりののりについて 基準第3条第2項表6

意見:対象をおにぎりののりだけではなく、お弁当やのり巻き等に使われるのりも対象とすべきです。

理由:消費者は「おにぎりののり」の原産地のみを知りたいわけではなく、お弁当やのり巻き、ちらし寿司等に使われている「のり」の原産地を知り選択したいと考えます。

改正点⑨、⑩

●業務用加工食品、業務用生鮮食品について 基準第10条第1項、基準第24条第3項

意見:トレーサビリティ制度や罰則規定、監視体制等の整備・強化、予算措置を講じる事を求めます。また、食品衛生法の記録作成保管の努力義務を法的義務とすべきです。

理由:改正案が確実に実行されるためには、この表示制度の運用と情報の正確性を担保するための制度や規定、実施体制、予算等の整備、強化が必要であると考えます。

以上

遺伝子組み換え食品表示検討会の委員選出について意見書を提出しました

2017年1月27日付、消費者担当大臣および消費者庁長官宛てに、今後開催が予定されている遺伝子組み換え食品表示検討会の委員選出について意見書「食品表示の検討に消費者意見を反映する消費者委員を 遺伝子組み換え食品表示の見直しには消費者目線が重要」を提出しました。
遺伝子組み換え食品表示検討会の委員選出について意見書

積み残された課題が目白押しとなっている食品表示分野において、消費者庁は今年4月以降に遺伝子組み換え食品の表示に関する検討に着手することを明らかにしています。

消費者が自主的に選択できる食品表示体系の整備は、消費者の知らされる権利や選択する権利など消費者の権利の尊重・実現へ向けて極めて重要な要件であり、この検討には、真に消費者の権利を重視し、その実現を求める消費者委員の委嘱が必要不可欠です。

消費者庁及び消費者委員会は、「消費者の権利の尊重と自立支援」を前提とする「消費者行政の推進」を目指すことが設置法で定められていますが、これまでの食品表示の検討においては、製造所固有記号やトランス脂肪酸への対応、機能性表示食品制度の導入、さらには加工食品の原料原産地表示の迷走などに示されたように、「消費者の権利の尊重」ではなく、消費者と事業者の「利益の調整」に多くの時間が割かれ、結果的に、消費者の権利よりも事業者の利益の優先に軸足が置かれた検討姿勢が目立ちました。

その過程では、消費者の意見とは相入れない意見が消費者庁によって消費者側委員とみなされた委員から表明される例が散見し、消費者の権利の尊重の視点からの施策立案・実施に重大な支障をきたす例も発生しました。

当ネットワークでは、このような消費者の意見を代弁する機会を奪う食品表示関連の検討会の実態について深く憂慮するとともに、今後始まる遺伝子組み換え食品の表示検討においてはそのようなことがないよう、次の2点を要望します。

1.遺伝子組み換え食品表示の検討では、現状の表示実態が消費者の知らされる権利、選択する権利など消費者の権利を侵害していることを認識し、検出技術の格段の向上はもちろんのこと、トレーサビリティにより全ての遺伝子組み換え食品のみならず、飼料、添加物に対しても表示対象を拡大し、EU(欧州連合)と同等以上の表示制度とすること

2.その検討にあたっては、食品表示問題に取り組み、消費者の権利を尊重した消費者活動を展開し、事業者との利益相反のない消費者側委員を最低でも委員の全体数の3割以上になるように委嘱すること。その委員の委嘱にあたっては事前に消費者団体から意見を聴くこと

以上

機能性表示食品の対象範囲拡大に反対する意見書を提出しました

2017年1月11日、消費者担当大臣および消費者庁長官、消費者委員会委員長宛てに意見書「機能性表示食品の対象範囲拡大に反対します~~新たなリスク増大よりも全面的見直しを~~」を提出しました。
 機能性表示食品対象範囲拡大に反対する意見書

消費者庁は同庁「機能性表示食品制度における機能性関与成分の取扱い等に関する検討会」が12月にまとめた「報告書」をもとに、新たに機能性表示食品制度の対象に「一部の糖質、糖類」及び「エキス等」を追加することを明らかにしました。私たち「食品表示を考える市民ネットワーク」は、機能性表示食品制度が食生活のリスクを高めるだけの欠陥制度であり、消費者の利益を確保する何らの保障もない中で、今、新たに新規成分を対象に追加することはいっそう大きな安全性への懸念を招くものであることから強く反対を表明せざるを得ません。

検討会「報告書」が認めているように、「エキス等」など対象成分の追加措置によって、機能性表示食品として「届け出られる食品数は一層増加する」ことは明らかです。その制度の適正運用を、法的義務もない抜け穴だらけの「ガイドライン」で実施しようとする考えを踏襲していること自体にそもそも無理があり、今回の成分追加措置もそのような無理を踏まえた「失政」と断言せざるを得ません。

機能性表示食品は、「事業者の責任による科学的根拠に基づく表示」を前提にしていますが、すでに、届出データの不十分性や関与成分量の表示との不整合が問題化しています。この制度の特徴である無責任体制の根本課題を抜きにした検討を続けている限り、ツケは必ず消費者に転嫁され、健康被害・取引被害が発生してきます。

私たちは、今回の機能性表示対象拡大について抗議するとともに次の点を要望します。

1.消費者庁は、「エキス等」の対象範囲拡大がそもそも消費者にどんな利益をもたらすのか、明確にすべきです。

2.制度が謳う「事業者責任」が何ら担保されていない現行制度の問題にこそ目を向けるべきです。

検討会「報告書」は、制度運用の適正化にあたって現行ガイドラインの改正などを謳っていますが、現行ガイドラインは「食品表示を考える市民ネットワーク」の意見書(2015年6月4日)で記したように、法的義務のない抜け穴だらけの特徴を持ちます。今回の修正予定事項も何ら根本改善に結びつくものではなく、機能性表示食品制度の全面的見直しをさらに先送りにするものです。

3.関与成分量などに関する分析方法の公開は必須条件です。

消費者庁は、現在非開示とされている機能性関与成分の分析方法について「原則公開とすることが適当である」との意見を踏まえた措置をとるようですが、そもそも機能性関与成分の分析方法の開示は、事後チェック遂行に必要・不可欠であり、当然、一般に明らかにされていることが前提です。これは「届出資料の公開」を要件とする機能性表示食品制度の根幹に位置付けられるべき問題であり、検討課題にするまでもなく、当然の措置です。

4.「事故情報の報告義務」を事業者に課すことこそ喫緊の課題です。

「報告書」では、「健康被害情報の収集・評価」について、消費者に速やかな報告 ができるよう「届出者における有害事象の具体的判断を行いやすく標準化できるようにすべき」と提案し、現行ガイドラインに基づく規定項目を改正することを提案しています。消費者庁もそれを受け、同庁に事業者からの有害事象事例が収集しやすくなるよう事業者の判断基準を明確にする意向を示しています。

しかし、最も問題なのは、その報告が義務化されていないことです。海外並みに「食品における事故情報の報告義務化」を事業者に課す制度を導入しない限り、機能性表示食品制度での健康被害は潜在化してしまいます。

5.トクホ・栄養機能食品制度など保健機能食品制度全般の見直しに早急に着手するべきです。

保健機能食品については消費者庁による事後チェック機能が発揮されなかったことで、「関与成分」「広告・表示」「使用実態」など、制度の根本問題への信頼性が揺らいでいます。早急に保健機能食品制度全般の見直しに着手することを求めます。

以上

連続メディア懇談会⑯ご案内 「信頼できる食品表示って 何だろう?!」

連続メディア懇談会⑯「信頼できる食品表示って何だろう?!」を下記の通り開催いたします。

1/19(木)連続メディア懇談会⑯ご案内

日時:2017年1月19日(木)15:00~16:00
場所:主婦連合会会議室(主婦会館3階)JR四ツ谷駅前
講師:佐野真理子 (食品表示を考える市民ネットワーク)
2015年4月に新しい食品表示法がスタートしました。そして、消費者庁は残された課題の1つ「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会中間とりまとめ」を公表し、各地で説明会を開催しており、近々パブリックコメントが行われると思われます。
昨年は、機能性表示食品の届出SR(システマティック・レビュー)に問題が多い、また、買上調査では品質管理がずさんな商品も販売されていることが分かりました。さらに、消費者庁による保健機能食品の事後チェック体制の不備が発覚し、制度全体の欠陥性が浮きぼりとなりました。
食品表示を考える市民ネットワークは、加工食品の原料原産地表示及び保健機能食品について、改めて趣旨・内容、課題等を整理し、「信頼できる食品表示って 何だろう?!」と題する学習会を開催することにしました。
ぜひ、ご参加いただきたく、よろしくお願い申し上げます。

消費者庁において、10/7と11/23に提出した意見書の回答を聞く会を持ちました。

食品表示を考える市民ネットワークは、10月と11月に意見書を消費者担当大臣、消費者庁長官、消費者委員会委員長宛に提出し、その回答を求めました。前回同様、消費者庁は文書で回答できないとのことで、12月16日中央合同庁舎4号館で、意見書の回答を聞く会を持ちました。消費者庁からは、保健機能食品担当者等2名が出席しました。回答の概要は以下の通りです。なお、意見書は、当ネットワークのホームページに掲載しています。
http://foodlabeling-net.main.jp/label/
意見書「トクホ違反横行に抗議します~保健機能食品制度の総合的抜本改善を~」(10月7日)
  1. 消費者庁は、今回の「事件」を時系列的に究明し、日本サプリメント社が販売した問題トクホの販売数、売上額を過去にさかのぼって総合的に明らかにし、公表すること。特に、「事件」発生の原因究明に速やかに取り組み、同社が違反に至った要因と消費者庁の監視・チェックの実態、その課題、事前に違反を把握できなかった要因を明確にすること
消費者庁回答:健康増進法の制度上、チェックすることができなかったが、今後、防止策・品質管理の徹底などに取り組んでいく。
  1. 消費者庁は、「事件」公表後の日本サプリメント社の消費者対応を把握し、問い合わせ電話がつながらない消費者苦情がまん延していることを重視し、消費者目線からの消費者対応をとるよう同社を指導すること
消費者庁回答:トクホ全体の根幹を揺るがしかねないため、消費者庁長官は日本サプリメント社社長を呼び、電話回線を増やし、袋を捨ててしまった消費者にも丁寧に対応するよう求めた。
  1. 消費者庁はあらゆる執行法律を勘案し、日本サプリメント社に対し、課徴金の賦課をはじめ、厳しい法的処分を下すこと
消費者庁回答:課徴金は景品表示法においてとなる。個別事業については答えられない。措置命令を出した時だけ事業者名等を公開している。
  1. 消費者庁は、公益財団法人日本健康・栄養食品協会に要請した10月26日を期日とする調査結果を公開すること。あわせて、今年5月に機能性表示食品検討会で報告した機能性表示食品の事後調査の結果も早急に公開すること。いずれの公開も実施しない場合はその理由を説明すること
消費者庁回答:今回の調査結果は、11月29日にすべて公表した。機能性表示食品の研究レビューは、7月に公開し、事業者から変更届が届いている。成分の分析方法が十分でないため、改めて有識者に分析結果の検証を依頼している。
  1. 消費者委員会は、今回の「事件」についてトクホ許可の審査に関わる消費者委員会として、その自らの態度を、意見・提言・建議などいずれの形態にかかわらず、消費者・国民及び消費者庁に対して文書で明らかにすること ⇒消費者委員会への意見のため回答無し
  1. 消費者委員会は、消費者庁および関連省庁のトクホ関連施策について、消費者目線から調査し、今回の「事件」がなぜ発生したのか、なぜ防止できなかったのか、その責任所在も含め、再発防止への政策提案を提示すること ⇒消費者委員会への意見のため回答無し
  1. 消費者委員会は、平成23年6月23日付の「特定保健用食品の表示許可制度専門委員会」報告書で更新制度導入の検討を消費者庁に求めている経緯を重視し、同制度を早急に導入するよう消費者庁に働きかけること ⇒消費者委員会への意見のため回答無し
  1. 消費者の信頼回復と適正な表示制度へ向けて、トクホ、栄養機能食品、機能性表示食品など各種保健機能食品制度を総合的・一元的に捉え、それら現行制度を抜本的に改善する検討に早急に着手すること
消費者庁回答:トクホについては2月に省令改正を公布する予定。
消費者庁から12月14日に開催された規制改革推進会議第6回医療・介護・保育ワーキング・グループで検討された機能性表示食品制度についての説明があった。推進会議から消費者庁の届出確認が遅いので早くするよう迅速性を求められた。消費者庁としては、安全性が重要と回答したら、それは事後チェックで行なえばよいとのことだった。
 【参考:第6回医療・介護・保育ワーキング・グループ資料】

以上

■意見書「保健機能食品の事後チェック体制の整備・強化を」(11月23日)
  1. 事故情報(健康被害情報)の報告を義務化すること

今回不適正な成分量が判明した特別用途食品は、許可64品目中の2品目です。商品分類は「低たんぱく食品」であり、病院の患者用食品として活用されたり、また通信販売によって自宅療養の腎不全の方々に提供・利用されたりしてきました。許可されて以降、この規格外食品がいつから販売され、なぜ防止できなかったのか、今の段階では明確ではありません。消費者庁は「健康被害の報告は寄せられていない」「事業者からもそのような報告はない」としていますが、健康被害情報(事故情報)の報告義務がすべての医療機関をはじめ、事業者に課せられていない現状ではその確証はありません。健康に影響を与える食品だからこそ健康情報の一元的収集体制の整備は急務です。当面は緊急性を重視し、保健機能食品全般を対象とした「事故情報(健康被害情報)の報告義務化」を導入してください。

消費者庁回答:食品衛生法上で義務付けられており、網羅している。
  1. 事後チェック体制を制度として確立し、そのチェック結果を事業者名・商品名を含めて公表する制度として導入すること

今回のトクホや特別用途食品の全品調査要請は“日本サプリメント事件”が発端です。全品調査を同事件への対応として一過性のものとして扱わずに、制度として継続的に位置付けてください。そもそも日本サプリメント事件は、事後チェックが実施されていない制度上の欠陥を一因として発生したものです。市販後チェック体制を国の責任として導入するとともに監視結果の公表が必要です。事後チェックと結果の公表は必須です。

消費者庁回答:定期的に第三者機関による調査を行い消費者庁に報告させる。現在、省令改正案のパブリックコメント募集中、公布2017年2月、次長通知3~4月の予定。
  1. 実効性ある再審制の運用と共に、早急に更新制を導入すること

トクホの全品調査では、1271品目中903品目が、現在販売されていない品目として指摘されました。そのうち668品目は、販売休眠中ながら再販売される可能性のある商品とも推測されます。また、販売されている366品目の中には、長期間継続販売されているものもあります。消費者庁は一度許可したトクホをチェックすることもなく、漫然と許可し続け、その結果、現在の深刻な無責任体制が定着してしまいました。平成23年に消費者委員会専門調査会が要求したように、更新制度を導入すべきです。それを導入するまでの間は、内閣府令で規定する再審制を確実に運用し、また、再販売トクホなどに対して一定の条件を設定し、再審査に付す仕組みを導入してください。

消費者庁回答:現在販売中のトクホは消費者庁で把握している。更新制ではなく既に販売されているものを年1回第三者機関による検査を行い、その結果を提出してもらう。健康増進法では、6つの第三者試験機関が認められている。
許可の取り消し規定は、28条第1項①国が定めた事項を表示していないとき、②虚偽の表示をしたとき、③新しい科学的知見により現在の表示をすることが適切でないとき、の3項目。
  1. 許可の取消規定を厳格に運用し、休眠中のトクホには失効を促す仕組みを導入すること

トクホや特別用途食品では、許可取消要件が規定されていますが、これら取消規定の運用は極めてあいまいで、3月のライオン社製のトクホ問題のように虚偽表示でありながら取り消されないこともあります。表示と実態の違いなどを理由とする許可取消要件はあいまいなままとなっています。また、今回の特別用途食品の不適切な成分含有量の問題に示されたように、取消ではなく事業者による失効届けで対処される例もあります。取消規定を厳しく運用してください。

消費者庁回答:届け出後休眠しているものについて、事業者へ失効届を出すか否かのアンケートを実施。161社中36社86品目の失効届があった。その他については、11月9日付課長名で失効届を3月までに提出するよう通知した。失効届が出たものについては、届け出一覧から消える。
  1. 規格に合致しない不正な保健機能食品の販売が判明した場合は、販売中止だけではなく、速やかに回収させるとともに行政処分を迅速に課す措置を講ずること

保健機能食品は食品の中で特定の保健機能が表示できる食品であり、成分や成分量について申請通りでない場合は健康被害発生の原因ともなります。それは機能性表示食品についても同様です。この点を重視し、不正発覚の段階で販売中止とリコールなど早急な対処がとれるよう、迅速な処分措置が講じられる仕組みを検討してください。

消費者庁回答:食品表示基準第6条8項に基づいて回収できる。
  1. GMP(製造・品質管理基準)及び第三者評価を義務付けること

機能性表示食品を含む保健機能食品の全製品を対象にGMPの義務化や申請・届出資料に第三者評価結果の添付を義務付けること。

消費者庁回答: 25~26年に販売されたサプリメント形状の8割は、GMP、HACCP、ISOなど何かしら取得しており、製造工程管理をしている。
  1. 以上の改善策の実現に向けて、総合的・一元的検討に着手すること

健康増進法で規定されるトクホと特別用途食品、食品表示法で規定され、事業者の責任で表示できる機能性表示食品など、現在の監視・評価体制がバラバラの保健機能食品制度を総合的・一元的に見直すことが必要です。

 消費者庁回答:トクホについては、消費者委員会の意見を踏まえて、2月に省令公布。機能性表示食品についてはガイドラインを改正し、「機能性関与成分が明確でない食品」を追加する。ビタミン・ミネラルの機能性表示については、専門家を踏まえて栄養機能食品制度の中で検討することになった。

以上

2016年12月27日

トクホ(特定保健用食品)関する意見書「保健機能食品の事後チェック体制の整備・強化を」を提出しました

2016年11月23日付で消費者担当大臣、消費者庁長官、消費者委員会委員長宛てに、トクホ(特定保健用食品)関する意見書「保健機能食品の事後チェック体制の整備・強化を」を提出しました。
トクホに関する意見書 

11月2日、消費者庁はトクホ(特定保健用食品)に次いで特別用途食品にも成分規定量が不適正な食品が販売されていたことを明らかにしました。国が許可したのに許可通りに販売されているのかどうか、国の市販後チェックが全く取り組まれず、事業者任せのまま制度が運用されてきた無責任体制がこのような事態を招いた大きな要因です。

すでに関与成分量が届出通りではない機能性表示食品の販売も判明し、私たち食品表示を考える市民ネットワークが商品名の公開を求めている事案もあります。現在の深刻な事態は、保健機能食品の分野にあって、事業者の規制緩和が推進される一方、消費者の権利確保の視点が欠落し、消費者保護策がどんどん後退してきた結果と言えます。今やチェック機能の働かない保健機能食品の制度全体の欠陥性が浮きぼりになったと思わざるを得ません。

私たちは、トクホ、栄養機能食品、機能性表示食品などの総合的・一元的見直しを訴えてきました。今回新たに特別用途食品の不祥事が発覚したことで、保健機能食品制度全体の見直し・改善が喫緊の課題として提起されていると考えざるを得ません。このような深刻事態を踏まえて、改めて以下の点を要望します。

  1. 事故情報(健康被害情報)の報告を義務化すること

今回不適正な成分量が判明した特別用途食品は、許可64品目中の2品目です。商品分類は「低たんぱく食品」であり、病院の患者用食品として活用されたり、また通信販売によって自宅療養の腎不全の方々に提供・利用されたりしてきました。許可されて以降、この規格外食品がいつから販売され、なぜ防止できなかったのか、今の段階では明確ではありません。消費者庁は「健康被害の報告は寄せられていない」「事業者からもそのような報告はない」としていますが、健康被害情報(事故情報)の報告義務がすべての医療機関をはじめ、事業者に課せられていない現状ではその確証はありません。健康に影響を与える食品だからこそ健康情報の一元的収集体制の整備は急務です。当面は緊急性を重視し、保健機能食品全般を対象とした「事故情報(健康被害情報)の報告義務化」を導入してください。

  1. 事後チェック体制を制度として確立し、そのチェック結果を事業者名・商品名を含めて公表する制度として導入すること

今回のトクホや特別用途食品の全品調査要請は“日本サプリメント事件”が発端です。全品調査を同事件への対応として一過性のものとして扱わずに、制度として継続的に位置付けてください。そもそも日本サプリメント事件は、事後チェックが実施されていない制度上の欠陥を一因として発生したものです。市販後チェック体制を国の責任として導入するとともに監視結果の公表が必要です。事後チェックと結果の公表は必須です。

  1. 実効性ある再審制の運用と共に、早急に再審制を導入すること

トクホの全品調査では、1271品目中903品目が、現在販売されていない品目として指摘されました。そのうち668品目は、販売休眠中ながら再販売される可能性のある商品とも推測されます。また、販売されている366品目の中には、長期間継続販売されているものもあります。消費者庁は一度許可したトクホをチェックすることもなく、漫然と許可し続け、その結果、現在の深刻な無責任体制が定着してしまいました。平成23年に消費者委員会専門調査会が要求したように、更新制度を導入すべきです。それを導入するまでの間は、内閣府令で規定する再審制を確実に運用し、また、再販売トクホなどに対して一定の条件を設定し、再審査に付す仕組みを導入してください。

  1. 許可の取消規定を厳格に運用し、休眠中のトクホには失効を促す仕組みを導入すること

トクホや特別用途食品では、許可取消要件が規定されていますが、これら取消規定の運用は極めてあいまいで、3月のライオン社製のトクホ問題のように虚偽表示でありながら取り消されないこともあります。表示と実態の違いなどを理由とする許可取消要件はあいまいなままとなっています。また、今回の特別用途食品の不適切な成分含有量の問題に示されたように、取消ではなく事業者による失効届けで対処される例もあります。取消規定を厳しく運用してください。

  1. 規格に合致しない不正な保健機能食品の販売が判明した場合は、販売中止だけではなく、速やかに回収させるとともに行政処分を迅速に課す措置を講ずること

保健機能食品は食品の中で特定の保健機能が表示できる食品であり、成分や成分量について申請通りでない場合は健康被害発生の原因ともなります。それは機能性表示食品についても同様です。この点を重視し、不正発覚の段階で販売中止とリコールなど早急な対処がとれるよう、迅速な処分措置が講じられる仕組みを検討してください。

  1. GMP(製造・品櫃管理基準)及び第三者評価を義務付けること

機能性表示食品を含む保健機能食品の全製品を対象にGMPの義務化や申請・届出資料に第三者評価結果の添付を義務付けること。

  1. 以上の改善策の実現に向けて、総合的・一元的検討に着手すること

健康増進法で規定されるトクホと特別用途食品、食品表示法で規定され、事業者の責任で表示できる機能性表示食品など、現在の監視・評価体制がバラバラの保健機能食品制度を総合的・一元的に見直すことが必要です。

以上

2016年11月23日