遺伝子組み換え食品表示検討会の委員選出について意見書を提出しました

2017年1月27日付、消費者担当大臣および消費者庁長官宛てに、今後開催が予定されている遺伝子組み換え食品表示検討会の委員選出について意見書「食品表示の検討に消費者意見を反映する消費者委員を 遺伝子組み換え食品表示の見直しには消費者目線が重要」を提出しました。
遺伝子組み換え食品表示検討会の委員選出について意見書

積み残された課題が目白押しとなっている食品表示分野において、消費者庁は今年4月以降に遺伝子組み換え食品の表示に関する検討に着手することを明らかにしています。

消費者が自主的に選択できる食品表示体系の整備は、消費者の知らされる権利や選択する権利など消費者の権利の尊重・実現へ向けて極めて重要な要件であり、この検討には、真に消費者の権利を重視し、その実現を求める消費者委員の委嘱が必要不可欠です。

消費者庁及び消費者委員会は、「消費者の権利の尊重と自立支援」を前提とする「消費者行政の推進」を目指すことが設置法で定められていますが、これまでの食品表示の検討においては、製造所固有記号やトランス脂肪酸への対応、機能性表示食品制度の導入、さらには加工食品の原料原産地表示の迷走などに示されたように、「消費者の権利の尊重」ではなく、消費者と事業者の「利益の調整」に多くの時間が割かれ、結果的に、消費者の権利よりも事業者の利益の優先に軸足が置かれた検討姿勢が目立ちました。

その過程では、消費者の意見とは相入れない意見が消費者庁によって消費者側委員とみなされた委員から表明される例が散見し、消費者の権利の尊重の視点からの施策立案・実施に重大な支障をきたす例も発生しました。

当ネットワークでは、このような消費者の意見を代弁する機会を奪う食品表示関連の検討会の実態について深く憂慮するとともに、今後始まる遺伝子組み換え食品の表示検討においてはそのようなことがないよう、次の2点を要望します。

1.遺伝子組み換え食品表示の検討では、現状の表示実態が消費者の知らされる権利、選択する権利など消費者の権利を侵害していることを認識し、検出技術の格段の向上はもちろんのこと、トレーサビリティにより全ての遺伝子組み換え食品のみならず、飼料、添加物に対しても表示対象を拡大し、EU(欧州連合)と同等以上の表示制度とすること

2.その検討にあたっては、食品表示問題に取り組み、消費者の権利を尊重した消費者活動を展開し、事業者との利益相反のない消費者側委員を最低でも委員の全体数の3割以上になるように委嘱すること。その委員の委嘱にあたっては事前に消費者団体から意見を聴くこと

以上