2015年3月6日、消費者担当大臣、消費者庁長官、消費者委員会委員長宛てに、「ノンアルコール飲料の特定保健用食品許可に抗議するとともに、許可の取り消しを求めます」を提出しました。
ノンアルコール飲料の特定保健用食品許可に抗議・取り消しを求める抗議書
2015年2月18日消費者庁は、消費者委員会が2014年8月5日に特定保健用食品(トクホ)として表示許可することが「不適切である」と答申したノンアルコール飲料2品目について、許可したことを発表しました。
消費者委員会が「不適切」としていたのは、ノンアルコール飲料が、未成年者のアルコール摂取を促す可能性が払拭できないことなどが理由ですが、消費者庁は、許可にあたって、ノンアルコール飲料を酒類と同等に扱う業界自主基準の運用厳格化を条件にしたとしています。ただし、当日の記者会見で同庁担当官は、この判断にあたっては消費者委員会に事前説明をしていないことを認めています。
私たち「食品表示を考える市民ネットワーク」は、業界自主基準を遵守することを条件にしてまで、消費者庁がトクホを許可すること自体が問題であり、それが遵守される保証はまったくないと考えています。
そもそもノンアルコール飲料は誰でも購入できる「清涼飲料水」であり、一行政機関が未成年者に販売しない等の条件を付けるのは矛盾しています。
しかも、今回のトクホ許可には、ノンアルコール飲料そのものの問題のほかに、消費者行政に対し監視機能を発揮すべき消費者委員会と、施策遂行を担う消費者庁との不適正な関係、トクホ制度の審査・許可への不信と、制度への監視体制の不透明さ、などの問題があることも明らかになりました。
以上の観点から、私たちは、ノンアルコール飲料のトクホ許可に抗議し、その撤回を求めるとともに、次のような意見を提起します。
【記】
1.消費者委員会は、自らの検討結果に基づき提示した「答申」が事前説明もないままに覆されたことを重視し、国民から付託された監視機能を適正に発揮するために、ノンアルコールのトクホ許可を撤回するよう消費者庁や内閣総理大臣に「建議」「勧告」すべきです。
2.アルコール飲料は致酔性(飲めば酔う)・依存性のある飲料で他の飲料とは全くことなることからトクホの対象には含まれていません。ノンアルコール飲料は、アルコール飲料と清涼飲料の壁を低くし、アルコール摂取へと促す危険性が大きく、未成年者飲酒を誘因する飲料であることを消費者庁は重視すべきです。
3.これまでの消費者団体の調査では、消費者は、ノンアルコール飲料をアルコール飲料の代替品と考えている人が多いことが明らかになっており、そのような飲料を国が推奨するトクホとして許可すべきではない。
4.そもそも消費者庁は、許可するにあたって条件を付け、その条件が遵守されなければ許可を取り消すとしていますが、その条件が遵守されることを保証する監視体制も明確でない中では、極めて無責任な判断と言わざるを得ません。経済優先の規制改革に重きを置く施策を根本から見直すべきです。
5.「エコナ問題」をきっかけにトクホの許可・更新・取り消しのあり方、その課題が明らかになったものの、その後の対策が一向に進んでいません。新たに機能性表示制度の導入も予定されていますが、消費者庁及び消費者委員会は、今回の問題も踏まえ、保健機能食品(トクホ、栄養機能食品)制度、機能性表示制度等について、関係省庁とともに、抜本的な総合的再検討に早急に着手すべきです。
以上