8月2日 食品添加物表示基準に関する諮問及び審議について要望書を提出

2016年8月2日、消費者担当大臣、消費者庁長官、消費者委員会委員長宛てに、「食品添加物の表示基準策定に関する要望書」を提出しました。

食品添加物の表示に関する意見書

意見の趣旨

食品衛生法に基づいて厚生労働大臣が指定する食品添加物の表示基準について、消費者庁長官は、かならず消費者委員会に諮問し、消費者委員会は食品表示部会において審議するよう求めます。

意見の理由及び経過

平成21年に制定された消費者庁及び消費者委員会設置法により、食品衛生法に基づき厚生労働大臣が指定する食品添加物の表示基準策定は内閣総理大臣(消費者庁長官)の職務とされ、内閣総理大臣は消費者委員会の意見を聞くこととされた。

それ以前は、食品衛生法に基づく食品添加物の指定、使用基準、表示基準等は、すべて薬事・食品衛生審議会の意見を聞いて、厚生労働大臣が定めることとされていた。

しかしながら、消費者庁は、新たに指定される食品添加物の表示基準につき、消費者委員会に諮問せず、消費者委員会でも審議が行われていない状況にある。

特に、甘味料アスパルテームは、L-フェニルアラニンを含有することにより、フェニルケトン尿症の人にとっては有害であるとして、食品衛生調査会の審議により、L-フェニルアラニン化合物との警告表示が定められ、また同様の成分を持つネオテームにつき、平成19年7月の薬事・食品衛生審議会で審議の上、警告表示は不要とされた。

しかし、消費者庁・消費者委員会設置後の平成26年6月に厚生労働大臣により指定されたアドバンテームは、アスパルテームと同様の問題があるにもかかわらず、消費者委員会ではまったく審議されていないのである。

また本年3月に薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会が、釜揚げしらす、しらす干し及びちりめんじゃこに残留を認めた(1kgにつき、0.005g未満)過酸化水素は、遺伝的に過酸化水素処理機構であるカタラーゼが欠損した「無カタラーゼ症」の人には有害であるので、選択のための表示が不可欠である。ちなみに上記添加物部会においても、カタラーゼが低い人への懸念は100%払拭できないと記載されている旨の発言がある。

使用基準改正により残留が認められることとなる過酸化水素についても、消費者委員会食品表示部会での審議は不可欠である。

食品添加物の表示は非常に重要であり、消費者庁及び消費者委員会は、自らの職責を全うするために諮問及び審議を行うべきである。

仮にこのような状況が継続するのであれば、消費者庁及び消費者委員会は、まったく機能していないと言わざるを得ないことになろう。

以上

なお、この要望に対し、2016年8月19日までに、書面で回答を求めます。