活動報告
活動
2015年8月31日 意見書「原料原産地・食品添加物・遺伝子組み換え食品表示等の検討を早急に開始することを求めます」を提出
2015年8月31日、消費者担当大臣、消費者庁長官、消費者委員会委員長宛てに、意見書「原料原産地・食品添加物・遺伝子組み換え表示等の検討を早急に開始することを求めます」を提出しました。
原料原産地・食品添加物・遺伝子組み換え食品表示等の検討を早急に開始することを求めます
長年の消費者運動の懸案だった、複数の法律にわたる複雑さを解消し、食品の安全性の確保と消費者の選ぶ権利を求めた食品表示法の一元化が実現し、2013年6月28日公布され、今年4月1日に施行された。
同法法案は衆議院で11、参議員では12の付帯決議がなされている。製造所固有記号の在り方、栄養義務表示の見直し、加工食品の原料原産地表示の在り方、仲食、外食へのアレルギー表示の在り方、食品添加物の表示の在り方の見直し、などについて本法成立後速やかにその検討の為の機関を設置し、検討に着手することとある。
さらに法案可決後、当時の森まさ子消費者担当大臣は記者会見で「今後は消費者団体など関係者の意見をしっかり取り入れ、できるだけ早く取り組みを始めたい」と述べている。
しかし、法律成立後2年を経過した現在も、未だ検討の兆しはない。「速やかに」「できるだけ早く」とは単なる言葉遊びではないはずだ。 複数回に分けて、基準が変更されることは消費者のみならず、事業者にとっても大変紛らわしく、混乱をきたし望ましいことではない。しかも、新法に基づく表示に完全移行が事項によってばらつきがある。加工食品と添加物は平成32年4月1日、生鮮食品は平成28年10月1日、機能性表示食品は本年4月から施行するなど経過措置期間が異なり、全く理解に苦しむ。
積み残された食品表示基準の検討機関を設置し、すみやかに検討をスタートすること。さらに、各課題のスケジュールを具体的に示すことを強く求める。 以上
7月15日緊急院内集会「消費者を惑わす機能性表示食品制度-消費者庁担当者に問う -」
7月15日(水)緊急院内学習会「消費者を惑わす機能性表示食品制度-消費者庁担当者に問う-」を開催します
今年4月1日から、食品表示法に基づき、企業が自己責任で食品の機能を表示し宣伝できる「機能性表示食品」制度がスタートしました。消費者庁が公表した届出食品は6月 29 日現在 44 品目あります。
私たちは企業の届出情報を精査し、5月末段階で公表された 21 件中 17 件に問題を見つけ、消費者庁へ情報提供しました。また6月 19 日にはある食品の新聞全面カラー広告が出ましたが、この中には「臨床試験済」という赤い受付印のようなマークが書かれているのに、「国の審査を受けたものではない」という記載がありません。
この制度には欠陥があると私たちは考えています。こうした問題点について事前に消費者庁に質問状を送り、当日回答いただけるよう要請しています。発売を契機に、ご一緒に考えてみましょう。
日 時 2015 年 7 月 15 日(水)12 時 30 分~14 時 30 分 ※12 時からロビーで入館証を配布します
会 場 参議院議員会館B-103 会議室(地下1階) (アクセス:地下鉄「永田町駅」出口1すぐ)
参加費:無料
※資料準備等の関係上、事前に FAX かメールでご連絡いただけると助かります。事前連絡が無くてもご参加いただけますが、定員(約 50 名)を超えた場合、事前連絡の方を優先させていただきます。あらかじめご了承ください。
主催:食の安全・監視市民委員会
共催:NPO 法人日本消費者連盟、食品表示を考える市民ネットワーク
【お問合せ先】 食の安全・監視市民委員会
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田 1-9-19-207 日本消費者連盟内
電話:03(5155)4765 FAX:03(5155)4767 E メール:office@fswatch.org
2015年6月4日 機能性表示制度の見直しを求める意見書を提出
2015年6月4日、消費者担当大臣および消費者庁長官、消費者委員会委員長宛てに、機能性表示制度の見直しを求める意見書「能性表示制度は欠陥制度 早急に運用中止し、見直しを求めます ~「ガイドライン」に見る消費者にとっての機能性表示制度の欠陥性~」を提出しました。
機能性表示制度の見直しを求める意見書
「ガイドライン」の欠陥性 概略
私たち「食品表示を考える市民ネットワーク」は、「欠陥制度」であることから導入を見直すようにと政府に要求してきた食品の「機能性表示制度」が4月1日、拙速のまま導入されました。すでに、販売60日前の届出と届出情報の公開制度によって、5月29日現在、26製品が届出受理されたことが消費者庁ホームページで公開されています。しかし、すでに、そのいくつかについて、安全性及び機能性に関するデータへの疑義が提起されており、消費者の混乱は増す一方となっています。
この制度創設に際して参考とされたアメリカには、「ダイエタリーサプリメント健康教育法」(DSHEA=ドシエ)という規制法があり、錠剤・カプセル型のサプリメントについて事業者の法的義務が規定されています。
しかし、日本の機能性表示制度は、法の制定・改正をまったく伴わない規制緩和を前提に設計されたもので、その運用は、抜け穴だらけで法的拘束力もない「ガイドライン」(指針)に、基づいて行われることとなりました。
この機能性表示は事業者の責任で実施し、消費者庁は安全性・機能性の科学的根拠について評価・関与しないという制度です。その旨が包装表示にも義務付けられることになっています。消費者目線よりも、アベノミクスの「成長戦略」に基づく事業者の規制緩和を優先した無責任な制度としてスタートしたものです。
制度設計にあたって安倍晋三首相は、「世界で一番企業が活動しやすい国をめざす」とし、その具体例として機能性表示制度を挙げたことはあまりに有名です。
しかし、その結果として、次のような問題が浮上することになりました。
- 特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品制度の3つの制度が併存することになり、従来の「いわゆる健康食品」の販売とあわせ、表示の混乱が生じています。「機能性表示まがい食品」が以前から横行しているのに、その監視・チェック体制は整備されていません。
- 現行トクホ、栄養機能食品、医薬部外品の許可表示などと機能性表示との表示に関する混乱が生じています。
- 健康被害情報の事業者の報告義務・公表義務制度がないことから、ますます健康被害が潜在化していきます。
- GMP(適正製造規範)制度の義務化がないことから、品質への信頼性も担保されないままのスタートとなりました。
- チェック機能が発揮される保証がないことから、行政も業界も運用にあたって手探り状態がしばらく続きます。その間も消費者被害(健康被害・財産被害)は増加していきます。
- 機能性表示は「いわゆる健康食品」の表示の規制にはつながりません。それは、トクホ制度創設によっては誇大・誤認表示がなくならなかったことと同様です。むしろ、「いわゆる健康食品」の誇大・誤認・虚偽・あいまい・ほのめかし・体験談表示等、不当な表示を助長させる結果となっています。
- 制度への理解を求める「消費者教育」が強調され、理不尽な「消費者の責任論」が主張される温床ともなっています。制度創設によって、もっとも迷惑を被るのは消費者であることがますますはっきりしてきました。機能性表示制度は欠陥を持つ「欠陥制度」なのに、その欠陥制度を消費者に理解してもらおうと消費者教育の対象にすること自体が本末転倒です。
- しかも、新規に導入されたはずの「申出制度」が当初の消費者庁の説明とは異なっていることがわかり、申出制度の十分な機能が発揮できずに形骸化する可能性があることも判明しました。販売60日前の届出と、届出情報の公開にも時間差があることから、公開の意義が薄れ、「申出制度」を利用しようとする消費者に混乱を与えています。
そこで、消費者被害を防止し、社会的混乱を解消し、食品表示の適正化を図るために、私たちは以下の3点を緊急に要望します。
(1)機能性表示制度の運用停止および3つの制度の総合的・一元的な見直し検討に速やかに着手(2年後見直しを待たずに)すること
(2)「いわゆる健康食品」への法的規制の強化・導入と、市販後調査の実施、およびその結果を公開する制度的導入(事後規制の強化)を図ること
(3)消費者被害防止への各種制度創設食品事故情報の報告義務化、リコール基本法の制定検討に着手するとともに、
食品表示法の申出制度を抜本的に見直し、調査結果の申出人への通知や、異議申し立て制度も保証した「スーパーコンプレインツ制度」へと速やかに改正を図ること
導入された機能性食品制度では、その実際の商品が販売される前から研究データをめぐる不適切・不適正な運用が散見しています。これは制度自体に問題があることを示し、制度運用を適切に実施することを目的としたガイドラインにも重大な欠陥があることを示しています。
私たちは、運用の核となるガイドラインの課題、その欠陥性を指摘することで、再度、同制度運用の即刻中止・見直しを求めます。
以上
2015年4月14日 トランス脂肪酸の表示義務化に向けて要望書を提出
2015年4月14日、消費者担当大臣、消費者庁長官、消費者委員会委員長宛てに、要望書「日本動脈硬化学会の指摘を踏まえトランス脂肪酸の表示を義務化すべきです」を提出しました。
トランス脂肪酸表示義務化要望書
消費者委員会「食品ワーキング・グループ」は3月20日、トランス脂肪酸に関する日本動脈硬化学会・寺本民生前理事長によるヒアリングを実施し、今後、報告書をとりまとめることを決めました。同学会は、消費者の健康被害防止の観点から、2013年にトランス脂肪酸を動脈硬化性疾患発症の原因物質の一つとして位置付け、その表示を「ただちに行うこと」とする要望書を安倍晋三総理大臣と当時の阿南久消費者庁長官に提出していました。当日のワーキング・グループで寺本前理事長は、改めて、トランス脂肪酸の表示義務化が喫緊の課題であることを表明されました。
私たち「食品表示を考える市民ネットワーク」は、この指摘の重要性を踏まえ、消費者の安全の権利、消費者の選択の権利等、「消費者の権利」の確保・実現へ向け、トランス脂肪酸の表示を義務化することを強く求めます。
トランス脂肪酸の摂取は、動脈硬化や心臓病のリスクを高めることが明らかとなっており、アレルギー疾患や免疫力の低下とも関係しているとの指摘も多くあります。そのため多くの国で表示は義務化されており、使用制限や使用禁止へと向かっています。
しかしながら、日本においては一部の偏った食事をする人を除きリスクは低いとして、表示は義務化されておらず、そのため摂取を控えたくても表示で選別することは出来ない状況にあります。トランス脂肪酸の健康影響についての情報も少なく、摂取に気を配る人も多くありません。最も影響が心配とされる子どもや若い女性に過剰摂取が存在していることは大きな問題です。
消費者委員会食品ワーキング・グループのヒアリングでも寺本氏は、学術的見地からトランス脂肪酸の心血管病への影響は明白であり、米国で2006年にまとめられた報告書においても作用機序として立証されていると説明。動脈硬化が完成するには何10年もかかり、結果としてある日突然「心筋梗塞」という形で現れることから、ファーストフードの日本上陸が70年代であることを考えると疫学的な実証には時間を要するが、将来深刻な問題となると予測されています。若い世代、特に子どもたちへの影響が大きいことをもっと真剣に考えるべきだと述べられました。
そして、健康寿命延伸のための対策として、予防医学の重要性とそのことを補完する社会システムの重要性、世代間で知恵を継承していくことの重要性を強調され、トランス脂肪酸については限りなくゼロを目指すことが望ましく、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸と分けて表示することが望ましいと提言、現在は表示されていない以上、消費者には選択できないこと、事業者側の削減努力にもつながらないこと、などを指摘されました。
消費者委員会は、トランス脂肪酸の表示に関する検討はワーキング・グル―プとしては終了とし、とりまとめを行なう予定とのことですが、今回のヒアリングにおける再度の意見表明、そしてその要望には日本高血圧学会、日本循環器学会、日本小児科学会等、六つの学会も同意していることを重く受け止め、予定する報告書においては、トランス脂肪酸の表示義務化実現を明記した内容とすることを強く求めます。
以上
2015年3月6日 「ノンアルコール飲料の特定保健用食品許可に抗議するとともに、許可の取り消しを求めます」を提出
2015年3月6日、消費者担当大臣、消費者庁長官、消費者委員会委員長宛てに、「ノンアルコール飲料の特定保健用食品許可に抗議するとともに、許可の取り消しを求めます」を提出しました。
ノンアルコール飲料の特定保健用食品許可に抗議・取り消しを求める抗議書
2015年2月18日消費者庁は、消費者委員会が2014年8月5日に特定保健用食品(トクホ)として表示許可することが「不適切である」と答申したノンアルコール飲料2品目について、許可したことを発表しました。
消費者委員会が「不適切」としていたのは、ノンアルコール飲料が、未成年者のアルコール摂取を促す可能性が払拭できないことなどが理由ですが、消費者庁は、許可にあたって、ノンアルコール飲料を酒類と同等に扱う業界自主基準の運用厳格化を条件にしたとしています。ただし、当日の記者会見で同庁担当官は、この判断にあたっては消費者委員会に事前説明をしていないことを認めています。
私たち「食品表示を考える市民ネットワーク」は、業界自主基準を遵守することを条件にしてまで、消費者庁がトクホを許可すること自体が問題であり、それが遵守される保証はまったくないと考えています。
そもそもノンアルコール飲料は誰でも購入できる「清涼飲料水」であり、一行政機関が未成年者に販売しない等の条件を付けるのは矛盾しています。
しかも、今回のトクホ許可には、ノンアルコール飲料そのものの問題のほかに、消費者行政に対し監視機能を発揮すべき消費者委員会と、施策遂行を担う消費者庁との不適正な関係、トクホ制度の審査・許可への不信と、制度への監視体制の不透明さ、などの問題があることも明らかになりました。
以上の観点から、私たちは、ノンアルコール飲料のトクホ許可に抗議し、その撤回を求めるとともに、次のような意見を提起します。
【記】
1.消費者委員会は、自らの検討結果に基づき提示した「答申」が事前説明もないままに覆されたことを重視し、国民から付託された監視機能を適正に発揮するために、ノンアルコールのトクホ許可を撤回するよう消費者庁や内閣総理大臣に「建議」「勧告」すべきです。
2.アルコール飲料は致酔性(飲めば酔う)・依存性のある飲料で他の飲料とは全くことなることからトクホの対象には含まれていません。ノンアルコール飲料は、アルコール飲料と清涼飲料の壁を低くし、アルコール摂取へと促す危険性が大きく、未成年者飲酒を誘因する飲料であることを消費者庁は重視すべきです。
3.これまでの消費者団体の調査では、消費者は、ノンアルコール飲料をアルコール飲料の代替品と考えている人が多いことが明らかになっており、そのような飲料を国が推奨するトクホとして許可すべきではない。
4.そもそも消費者庁は、許可するにあたって条件を付け、その条件が遵守されなければ許可を取り消すとしていますが、その条件が遵守されることを保証する監視体制も明確でない中では、極めて無責任な判断と言わざるを得ません。経済優先の規制改革に重きを置く施策を根本から見直すべきです。
5.「エコナ問題」をきっかけにトクホの許可・更新・取り消しのあり方、その課題が明らかになったものの、その後の対策が一向に進んでいません。新たに機能性表示制度の導入も予定されていますが、消費者庁及び消費者委員会は、今回の問題も踏まえ、保健機能食品(トクホ、栄養機能食品)制度、機能性表示制度等について、関係省庁とともに、抜本的な総合的再検討に早急に着手すべきです。
以上